第3章 浅葱色の哀愁
もう一度見たくて焦がれた清光の瞳なのに、視界が滲んでよく見えなくなってしまう
「よかった…よかった、清光!
目を…覚まさないんじゃ…ないかって…」
「もう、主また泣いてるの…?
主がいるのに…折れるわけないじゃん」
「か、加州殿…いつから…」
「ついさっき、退く退かないの話あたりから」
その前は清光の記憶の話をしていたけど聞かれてはいないようだ
こんのすけがホッと息をついたのが分かった
「俺が主に進軍したいって頼んだんだ
主を責めないで」
「何故…」
「それよりさ…何か飲み物貰ってもいいかな」
「は、はい! すみません、気が回らず!」
清光の頼みに即座に応えたこんのすけは、素早く部屋を出ていった
それを確認して清光は辛そうに体を起こそうとしたから、慌ててそれを制するも清光は聞かなかった
「いってて…」
「清光、まだ寝てた方が…」
「いや、主にだけ話したいことがあるんだ
主は自分のせいにしちゃいそうだし…」
「? 何を…」
「あの時、俺が進軍しようって頼んだわけ
俺はさ…今剣の力になれたらって思ったんだ」
「今剣?」
思いもしなかった名前が出てきて、訳が分からず清光の言葉を待つ