第3章 浅葱色の哀愁
「そっ…かぁ…、よかった…
これで清光を刀解しなくて済むね」
「はい
ただ、加州清光については刀解は見送るが、可能な限り速やかに記憶を取り戻させるようにとのお達しです
政府としては、規定外の存在をそのままにしておきたくはないようで…我々が煙たがられていることには変わりないようです」
「でも、無理矢理思い出させるようなことはしたくないな」
「それは私も同じです
加州殿は顕現当初に比べて少しずつ記憶を取り戻しつつあるようにも見えますので、ひとまずはこのまま見守りましょう
今回は本丸運営を認めてもらえただけでも大きな成果です」
「そうだね」
「ですが主様、今回の戦いは私の目から見ても危なかったです
今剣殿は中傷、加州殿は刀剣破壊寸前でしたよ
政府の見解も同じです、審神者として任務をこなしていくならば危険な行動は慎むようにと」
「うん…」
「主様…今剣殿が負傷した時、何故一度退かなかったのですか?
多少評価は低くなったかもしれませんが、あそこは帰城するのが最善だったと思います」
「それは…」
「___俺が…主に頼んだんだ」
「! 清光!?」
突然下から声が聞こえたと思ったら、さっきまで眠っていたはずの清光がゆっくりと瞼を持ち上げた