• テキストサイズ

思ひ出結び【刀剣乱舞】

第2章 一人、また一人


「ほうたいをしめなおすくらい、じぶんでできますよ!」

「主、怪我は無______」


清光が刀身の血を払って鞘に収め、こちらへ一歩踏み出した瞬間


「…あ、れ……?」

「清光…!?」


その体が、ゆっくりと傾く


体が地に着く前に駆け寄り、抱きとめた瞬間に異変に気づいた


体に力が入っていないし、目の焦点がぶれている

先程刀を受け止めた左腕の傷以外にも、遠目には見えなかった傷が全身に広がっていて

真紅の襟巻きがいつもより赤黒く見えたのは、出血で染まっているからだった


「あー……ちょっと…血、流しすぎたかな…」

「ちょっとなんてものじゃないよ…!

どうしよう、どこから止血すれば…


いや、この傷なら帰城した方がっ…でもみんなが揃わないと元の時代に帰れないし__」

「ぼくっ…ほねばみさんたちをよんできます!」


自分で包帯を巻き直した今剣が襖を開け放ち外へ飛び出していく

私も早く止血しようと持っていた包帯を取るも、手が震えて上手く巻けない…


これは、恐怖だ

清光がいなくなったら…そう考えるだけで怖くて怖くて、震えが止まらない

涙が溢れ出てくる


乱れた包帯を解こうとした手に、清光の手が重なる


「主…落ち着いて…

俺は、大丈夫だから…」

「っ…く……ごめ……ごめん…」
/ 127ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp