第2章 一人、また一人
順調に進んできたから油断してしまった
ここは戦場だったのに
「うぁあっ!」
突然、今剣の背中を何者かが斬りつけた
「こいつ…まだ生きてたのかっ…!」
うずくまった今剣の背後に立っていたのは最後に倒したはずの敵
その姿を確認すると同時に、骨喰が敵に斬りかかる
その隙に私と清光、五虎退は今剣に駆け寄り急いで止血する
「今剣っ…大丈夫!?」
「うぅ…あれ…ぼくがつかまっちゃった…?
ゆだんしちゃいました…でも、たいしたことないですよ」
今剣はふらつきながら起き上がるけれど…
重傷とまでいかなくても随分な深手だ
「さぁ…さきにすすみましょう
つぎでさいごですよね」
「その傷じゃ危ないよ
一度本丸に戻って手入れを…」
「へいき…です」
「でも」
「だいじょうぶですから!」
突然今剣が声を荒げ、私の言葉は遮られた
「きょうは、たいせつなにんむなんでしょう?
ぼくのせいでちゅうしなんて…だめです!
いままでだって、けがすることはありましたし…
…それにここでひいたら…ぼくはいつまでもつよくなれない…」
「今剣!」
「っ…骨喰さん」
敵を倒した骨喰が今剣に劣らない声量をはった