第2章 一人、また一人
「そーれっ!」
「斬りだ!」
今剣が敵を惑わし、その隙に骨喰が斬り込んで、最後の敵を倒した
「みんなお疲れさま!
すごい! 順調だね」
「ぼくたちにかかれば、なんてことありません!」
「やはり今までの敵よりは強いが、何とかなりそうだ」
「骨喰兄さん…! 最後のかっこよかったです…!」
三戦目を終えて一息ついた彼らの顔を見回すと、どこか清々しい顔つきだ
ただ骨喰のいう通り実際に敵は強いらしく、皆の身体には小さな切り傷がちらほらと見えた
「清光、多分この奥が敵の本陣なんだけど、どうしよう?
みんな怪我してるよね…」
「今日の最終決定は主なんだよね、こんのすけに聞いた
これくらい平気だって、ね? 骨喰」
「そうだな…俺と加州は元々体力があるし、初陣の五虎退も一番怪我が少ない
今剣はその傷、大丈夫か」
今剣の足には深手ではないが少し大きな切り傷がある
さっきの戦いで、今剣の素早さに苦戦していた敵がしきりに足を狙っていたのは感じていた
身軽に避けてはいたが、さすがに無傷というわけにはいかなかったらしい
「こんなの、なんてことないですよ!
ほら、みてください! まだこんなにとべま___」
「…! 今剣さん!!」
今剣が飛び跳ねると同時に、五虎退が大声で名を呼んだ