第2章 一人、また一人
「へぇ…そうなんですね
じゃあぼくたちがんばらないと!」
「ありがとう、いつも通りやってくれたらいいからね
でも今回の敵はいつもより手強いみたいだから気をつけて」
「! てきがつよいんですね!
…つよいてきをたおしていけば、ぼくもつよくなれるかな」
今剣の表情から笑顔が消え、何か小さな声で呟いているけどよく聞こえない
そしてまた、その様子を清光が見つめている
二人ともいつもと様子が違うようだけど、大丈夫だろうか…
私の頭に少しの不安がよぎったと同時に、五虎退が一点を指差した
「あっ…あそこ! 虎くん達がいやな気配を感じてるみたいです…」
「時間遡行軍が早速現れたのかも
今日の隊長は清光だよ、みんなを率いてあげてね」
「えぇ? 俺が隊長?
…偵察、苦手なんだよなぁ…帰ったらご褒美くらい頂戴よね」
口ではそう言いながらもしっかり索敵に向かってくれる
そんな清光の頼もしいところをみんな知っているから、三人も続いて駆け出す
さっきは少し不安に感じたけれど、この部隊なら大丈夫かもしれない
___そう思った私の考えは外れることなく、四人は次から次へと敵を倒していく
一ヶ月鍛え続けた清光達はもちろん、五虎退も素早く敵の懐に入り、初陣とは思えない活躍を見せてくれて
そして気づけば三戦目が終わろうとしていた