第2章 一人、また一人
「す、すみません…僕が寝ている間に一匹逃げちゃったみたいで…
お仕事のじゃましちゃいましたよね…」
「大丈夫だよ、今日の編成決めてただけ……
…そうだ、これも何かの縁だよね
よし、もう一振りは五虎退に決定!」
「へっ…は…はい!?」
____そうして編成が決まってから一刻ほど経ち
今は任務地である江戸時代・鳥羽にいる
「五虎退に決まった成り行きってそれだけ?」
「う、うん…安直な考えだったかな…」
「いーや? 俺、主のそーゆーとこ好きだよ」
そう言って清光は笑ってくれた
「僕…初陣って不安だったんですけど…骨喰兄さんが一緒で嬉しいです」
「あぁ」
相槌を打ちながら骨喰が五虎退の頭を撫でる
粟田口派の短刀が増えてからというもの、今までになかった兄としての骨喰の姿を見かけるようになった気がする
「ところで! きょうはどうしてあるじさまもいっしょなんですか?
きになりますよね、加州さん!」
「え! あ、うん…」
今剣の問いかけに遅れて反応した清光は、何やら五虎退と骨喰のほうを見つめていたみたいで
普段はぼうっとすることがない清光なのに、どうしたんだろう
「本日は政府から承った大切な任務ですので、主様にもご同行をお願いしたのです
よくあることですよ」
今日の本当の目的を刀剣男士達は知らない
事情を説明できずにいると、こんのすけが上手く助け舟を出してくれた