第2章 一人、また一人
「もう一つ、今回の出陣は主様にもご同行願います」
「えっ、私も!?」
「はい
その時々、進軍するか否かの最終決定は主様が行うようにとのことで…」
元々私の審神者としての素質を試されてるようなものだし、当然といえば当然かもしれない
それにこんな大切な任務を彼らだけに頼りっきりというのもいけない気がした
「そうなんだ…分かった、私も行くよ」
「では、編成が決まり次第、刀剣男士を招集し出陣準備をしてください
私も準備に取りかかりますので失礼いたします」
そしてこんのすけが去った部屋の中で、編成書に向き直り筆をとる
今までよりも強い敵が現れるならば、必然的に経験を積んだ男士を選ぶことになり
加州清光、今剣、骨喰藤四郎の名が連なるが…
「あと一人…」
最近入った短刀達は皆、まだ出陣したことがない
誰を選んでも初陣となる
頭を抱え考えあぐねていると、部屋の外から小さな物音がした
筆を置き、障子を開くと足元には…
「みゃお」
「…猫?
いや、この子は…」
「あ、あるじさまっ…!」
声がした廊下の先から現れたのは寝間着のままの五虎退
彼も先日仲間になったばかりだ
「やっぱり…五虎退の虎だったんだね」