第2章 一人、また一人
そう言った骨喰の表情は寂しげというよりも、どこか愛おしそうで
きっと頭の中には多くの兄弟の顔が浮かんでいるんだと思う
兄弟や昔の仲間を懐かしく、恋しく想う
俺にはそんな相手はいないし、まして誰かに使われた記憶すらない
だからこそ今剣の思いにも気づいてやれなかったし、それを知った今でさえ骨喰のように本当に理解してやれているのか自信がない
「人の身体というのは厄介なものだな
心が無いただの物であれば、誰かを想って辛く感じることもなかったはずだ」
骨喰が呟いた言葉が、俺の心には強く残った
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(あなたside)
日めくりの暦を1枚破る
毎朝目を覚めして最初に行う私の日課だ
そして今日暦に書いてある数字は、先月私が本丸に来た日と同じ
「今日が政府との約束の1ヶ月だね」
「左様にございますね」
私の足元でこんのすけも同じように暦を見上げている
一月前に政府と交わした約束___一ヶ月間私が審神者として歴史修正主義者と対峙できなければこの本丸の運営を終わらせるということ
日々の出陣はもちろん、みんなと協力して内番などの本丸運営もこなしてきたつもり
そして今日はいよいよその成果を確認する、いわば試験のようなものだ