• テキストサイズ

思ひ出結び【刀剣乱舞】

第2章 一人、また一人


「わがままだってことはわかってます…わかってるんですけど…!


ぼくは…はやく岩融にあいたい


そのためにはもっと、もっとつよくならなきゃいけないんです!」

「あっ、今剣!」


そう言い残して今剣は稽古場から出て行ってしまった

追いかけようとしたと同時に、骨喰の手が俺の腕を掴む


「…今はそっとしておいた方がいいだろう」

「でも…っ」

「現状では、今剣の願いが叶うにはまだ相当な時間がかかる

そしてそれは今剣自身がよく分かっているはずだ

俺たちがこれ以上かけてやれる言葉はない」

「そんな…!」

「だが、強くなりたいという思いには応えてやれるはずだ

頼まれれば稽古だって付き合ってやれるし、一緒に出陣すれば経験だって積める」

「…」

「だから、今は気持ちを落ち着かせるべきだ」


その言葉は今剣だけでなく、俺にも向けられたように感じる


力強い骨喰の瞳の前に、俺は今剣を追いかけようとした足を止めた


「…そうだね、ごめん」

「謝る必要はない、俺だってあんたと同じ思いだからな


それに、今剣の気持ちもよく理解できる」

「え…骨喰にも同じように想う刀があるの?」

「あぁ…たくさんいる

兄も、弟たちも、それに俺と同じ脇差の兄弟もいるんだ」
/ 127ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp