第2章 一人、また一人
俺たち自身が刀だからこそ分かる、微妙な違いだけど…
いつもは遊んでいるかのように身軽に飛び跳ねて相手を惑わす
それが今剣の戦い方の強さだと思う
だけど、今日は少し動きが鈍いしかたい
まるで、何かに縛られているよう
そして_______
「あっ…!」
骨喰の力強い一撃で、今剣の木刀は鈍い音をたてながら弾かれてしまった
「っ……もういちどです」
「…」
「もういちどおねがいします!」
「…いや、今日は止めだ」
「なんで…」
納得がいかない様子の今剣に骨喰が改めて向き直る
多分俺も骨喰も、考えていることは同じだと思う
「今剣、今日のお前の剣には雑念しか感じない
いや、今日に限らず最近の出陣でもそうだが…
戦場ではそれが命取りとなる、それは分かっているだろう?」
「…はい」
俯く今剣は今にも泣き出さんばかり
こんな表情は初めてみるし、最近の今剣は少し様子がおかしいとは思っていた
俺は思わず立ち上がり、そばで屈んで話しかける
「今剣?」
「…わかってるんです、いまのままじゃいけないこと
でも、ぼくはもっとつよくならなきゃ…」
「強くなりたいのは俺も骨喰も同じだけど…
何か理由があるの?」
俺が問うと、今剣は顔を上げた