第1章 出逢い
「と、とりあえず、横になって!」
わけがわからないまま急いで布団を敷き、清光を寝かせた
しばらく清光は唸り続け、私はただ見守ることしかできなかったけど、いつしか彼は寝息を立て始めた
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清光が眠ってから数刻
2人きりの本丸は静まり返っていた
「…どういうことなんだろう。」
他の本丸でみた身なりに気を遣う加州清光とは程遠い見た目
それに加えてあやふやな記憶
審神者になったばかりなのに、分からないことばかりだ
唯一この状況で頼れる相手がいるとすれば、政府の人に呼ばれたときに会った___
「こんのすけ……どこにいるの…?」
この本丸に仕えてくれるという話だった小さな狐
本丸中を一通り探して回ったけどどういうわけか、その姿も見当たらない
謎は増えていくばかりのこの状況で、私にできることは…
「……そうだ!」
時折唸る清光の汗を手ぬぐいで拭ってあげながら、私はあることを思いついた