第2章 一人、また一人
起こそうと声をかけたけど今剣は目を覚まさない
元々すぐに起きるわけではないけれど、今日は何だかうなされているようにも見える
再び起こそうとしたと同時に、廊下から声がかかった
「加州、起きているか」
「ん? あぁ、骨喰?
入っていいよ」
開かれた襖から入ってきた骨喰は、既に内番服に着替えている
足を踏み入れてすぐに今剣の姿を見つけたらしく、その澄んだ瞳を大きく見開いた
「なんだ、今剣はまたここで寝ていたのか」
「うん、さっき起きたら既に俺の布団に
また夜中に潜ったみたい」
「そうか…
陽が昇ったし、そろそろ起こしたほうがいいだろう」
「そうだよね
今剣! 起きて!」
「う……もう...あさですか?」
さっきよりも大きな声をかけると、ようやく今剣は目を覚ました
気怠げに目を擦りながら布団から起き上がる
「今日も俺の部屋に来て…どうしたの?」
「……」
声をかけるも聞こえているのかいないのか、どこか上の空だ
「今剣? 具合悪いの?」
「…ゆめ…ですか…」
「夢…?
…って、うわ!?」
俺が呟き返すと今剣はハッとしたように突然立ち上がった
どこか挙動不審にもみえるその様子に骨喰も不思議そうに声をかける