第2章 一人、また一人
(あなたside)
政府との約束の1ヶ月も半分になり
今剣がこの本丸にも馴染んできた頃___
「あるじさまー! ただいまかえりました!」
「あっ、おかえり清光、今剣」
「あるじさま! ぼく、きょうはたくさんてきをたおしましたよ!
ほまれください!」
「うん、よく頑張ったね」
「こーら今剣
先に主に報告しなきゃいけないことがあるでしょ」
「報告? あれ、その子は…」
「…骨喰藤四郎
すまない、記憶がほとんどないんだ」
「記憶が…ない?」
___再び、仲間が増える
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「骨喰藤四郎、ですか」
清光達が帰ってきてから数刻
外出から戻り報告にきたこんのすけは、庭先を見つめながら呟いた
開け放たれた障子の先で、清光と今剣が骨喰にさっそく本丸のことを教えようとしているのが見えた
「うん、帰還した清光達が連れてかえってきてくれたんだけど…
記憶がないって言ってたの」
「記憶がない……そうでしょうね
骨喰藤四郎は江戸時代に大火で焼けた過去を持つ刀です」
「焼けた…!?」
「はい
焼身となりましたが、その後修復されました」