第2章 一人、また一人
「俺の?」
今剣は木の上から飛び降り俺を見上げて問う
前の主といわれても…
「俺にそんな人はいないんだけど…」
「えぇ! それじゃあ加州さんはだれにもふるわれたことがないんですか?」
「んー、昔のことはよく覚えてないけどきっとそうなんじゃない?
ほら俺扱いにくいしさ、好んで使う人なんかいないよ」
「あつかいにくさにかんけいなく、加州さんはよいかたなだとおもいますよ?」
「ははっ、ありがと
まあ俺みたいな使いにくい刀でも、主は俺を初期刀に選んでくれた
俺にとってはあの人以外に主はいないよ」
「もちろんぼくもいまのあるじさまだいすきですよ!」
「でしょ?
だから主のためにも当番してよ」
「わかりました! うまとうばんならやりますよ!」
「お前今日の当番表見た?
今剣は畑当番」
「はたけいじりー? ちょっとめんどうだなぁ…
加州さんかわりにやってください! ぼくよごれるのきらいです!」
「俺だって汚れる仕事嫌だっての!
ていうか初日に俺を泥だらけにしたお前がそれ言う?」
「じゃあよろしくおねがいします!」
「人の話聞けって…あっ! こら!!」
そして鬼ごっこは再開する