第2章 一人、また一人
「戦闘自体は問題なく終わったんだ
終わって帰ろうとしたらこの今剣を見つけたから連れて帰ることにして…」
「そこからが長かったですね…」
清光の言葉に繋げてこんのすけも話し出す
その小さな体は今剣によってひどく揉まれている上に毛を引っ張られ…まるで玩具のように扱われている
「今剣殿が道を間違え森に突っ込んだり、必要もないのに川に飛び込んだり…
追いかけて連れ戻すのに予想以上に時間をとられてしまいました」
「そんなことが…」
「えっへへ〜〜! たのしいおにごっこでした!」
「楽しかったのはお前だけだよ」
「いたた! やめてください加州さん〜〜!」
清光が今剣の頭をぐりぐりと抑え、チャンスとばかりにこんのすけが今剣の手からすり抜ける
そんな三人の様子に思わず笑いが堪え切れなくなって…
「ぷっ…ははは!」
「! 主……笑いすぎ!」
「だって三人とも泥だらけでなにやって…っはは」
いや、多分それだけじゃないかも
無事に帰ってきたことに安心したからこんなにも笑えるのかもしれない
「あるじさまのきものもどろだらけですよー!」
「え!? なんで?」
「さっき今剣が泥だらけの手でしがみついてたからでしょ
仕方ないなぁ、洗濯やり直そうか」
「ぼくもてつだいますよー!」
「じゃあ洗濯終わったらご飯食べよう、作っておいたから」
「わーい!!」
この日新たにいたずら好きな仲間が加わり、本丸は少し賑やかさを増した