第2章 一人、また一人
けれど、清光はもう聞いてしまったはずだ
恐る恐る目をあげて清光の様子を伺うと____
「しんせんぐみ? よく分からないけれど、そういう組織があるんだ?」
「え……」
予測していたものとは異なる反応が返ってきた
落ち着いてる…?
「…主? 口開けてどうしたの?
ていうかこんのすけ、苦しそうだけど」
「えっ…あぁ! ごめん! こんのすけ!」
「ぷっ…はあ!!
突然口を塞ぐなど…如何なされたのですか?」
「いや、えっと…清光、頭痛くないの?」
「え? 別に何ともないけど」
…どういうことだろう
言葉の通り清光はいたって普通のようだ
混乱する私にこんのすけが小さな声で囁いた
「主さま、加州殿の様子を見る限り出陣しても問題ないかのように思われますが」
「う、うん…そうだね」
よく分からないけれど、とりあえず問題がなさそうなら出陣してもらおうかな
「じゃあ…清光
出陣して時間遡行軍を討伐してきてくれる?」