第2章 一人、また一人
また、清光と同じように不完全な状態で呼び醒してしまうのではないか
頭にそんな思いがよぎる
そしてこんのすけもそれは分かっているようだ
「刀剣男士を迎え入れる手段は鍛刀だけに限りません
加州殿が出陣して新たな仲間を見つけることもできます
ですから、まずは確実に出陣できるよう態勢を整えることが肝心なのです」
「うん、わかった…ちゃんと考えてくれてたんだね
ありがとう」
「いえ
…と、話をしていれば、どうやら時間遡行軍が出現したようです
場所は……函館、維新時代ですね」
「維新…函館って…新選組に関わる時代じゃ…」
そんなところに清光を行かせて大丈夫だろうか
清光の失った記憶に関わるはずだ
「その通りですが、加州殿の元主である沖田総司は今回該当する時代には既に…
なので記憶に対する刺激はそこまで大きくはないのではないかと思われます
主さまの仰る通り、新選組に関わることに変わりはありませんので不安はないとは言い切れません
ですが敵の強さを考えても、今回はできれば出陣していただきたいです
如何なさいますか? 主さま」
こんのすけがじっと見つめ、私の返答を待つ