第2章 一人、また一人
「現れてるって…向かわなくていいの!?」
「本来ならばすぐに向かうべきですが、今この本丸には初期刀の加州清光一振り
それも従来の力を発揮できない状態です
多少の衰えがあるとはいえ、加州殿がそう簡単に折れる刀ではないと分かっています
ですが念には念をということで、政府は出陣は控えるべきだと判断致しました」
「それじゃあいままでに出現した時間遡行軍は…?」
「もちろん放置するわけにもいかないので、能力の高い時間遡行軍の出現時には、他の本丸に臨時に当たっていただいています
政府の指示とはいえ、勝手に判断してしまい申し訳ありませんでした
ですが最終的に出陣を決めるのは主さまですので、お心構えを」
「そう…だったんだ…」
確かに、清光にもしものことがあればこの本丸は終わりだ
こんのすけのいうことはこの本丸や清光のことを思えば的確なものだと思う
だけど、一ヶ月という限られた猶予の中でこうものんびりとした日々を送っていて焦りが募るのも事実で…
「加州殿以外にあと一振り、二振りほど刀剣男士を迎えられれば、多少強い敵にも立ち向かえるかと思います」
「他の刀剣男士…でも、私が顕現させると…」