第4章 浅葱色の哀愁(2)
(あなたside)
「薬研、ちょうどいいところに!
これはどういう時に使うものなの?」
「なんだ大将、またやってるのか
何もそんなに焦らなくてもいいんじゃないか?
体が持たんぜ」
「ううん、早く覚えたいの」
「仕方ないな…
だか今少し手が離せなくてな、後でもいいか?」
「うん、ごめんね引きとめて」
机の上に散らかしてしまった書物を少し整理する
焦ってる…か、確かに時間を見つけては『これ』の勉強してるから急ぎすぎなのかな
でも、私がこの本丸でみんなの力になれる手段を見つけられたかもしれないから、早く役立てるようになりたい
「そういえば大将、さっき今剣達が門のところで騒いでたぜ
出陣してた連中が帰って来たんじゃないか」
「ほんと!? 出迎えなきゃ」
「いや、隊長さんが来てくれたみたいだぞ
じゃあな大将、また後で」
机に手をかけ立ち上がろうとした時、襖から堀川の顔がのぞいた
そして薬研と入れ違いに部屋に入ってくる
「第一部隊、任務を終えただいま戻りました」
「おかえりなさい
大変だったでしょう? どうぞ座って」
堀川と面と向かって話すのは、出陣の提案をした日以来だ
でもなんだか、あの時よりは表情が穏やかになっている気がする