第4章 浅葱色の哀愁(2)
「…はい!」
「よし、あと一息頑張っちゃいますか!」
この時点でほぼ同等となっていた敵との数の差は最早問題ない程度だった
その後も僕らは着実に敵を倒していき
「鶴丸さんが倒したのが多分指令役でしたね」
「あぁ、そうみたいだな
残った奴らが散っていく…俺はあっちの奴を始末するからな」
「ほんならわしは向こうじゃ、小夜を頼む!」
小夜さんはさすがに無理をしていたようで、少し休んだ方が良さそうだ
加州くんはというと、刀を鞘に収めながらも辺りをキョロキョロと見渡している
「どうかしましたか加州さん?」
「…まだいる」
「え?」
「敵の気配が消えてない…どこかにいるはずだ」
敵がまだ残っている…その言葉に小夜さんの前で僕も構える
加州くんが刀に手をかけた時のカチャっという金属音を境に、静けさが漂う
風の音すら聞こえない空間に、刹那、葉を揺らす音が耳に届く
「上か!」
加州くんの真上に伸びる木の枝から、敵の太刀が飛び降りてくる
地面に着地したそいつは迷う事なく加州くんに向かって刀を引き抜き
「遅いっての!!」
片足を前に踏み込み、刀は鞘から抜き放たれまっすぐな軌道を描き___