第4章 浅葱色の哀愁(2)
「じゃ、俺たちも巻き返さなきゃね、堀川」
「そうですね」
打刀の加州さんと戦うなら、僕の戦い方は決まっている
兼さんと戦っていた時と同じだ
脇差はあくまでも補助の刀、敵を倒す力なら僕よりも打刀の加州さんの方が強い
「加州さん、僕が敵の刀装を引き下がらせます
その間に本体へ斬りかかってください!」
「ん、りょーかい!」
「行きますよ…てやーっ!!!」
「オラァァァ!!」
僕が軽く道を開けただけでも加州さんには十分に余裕ができたようで、敵はあっさりと倒れた
そして敵本体がいなくなれば統率を失った刀装は意味をなくす
「二刀開眼とは、君らもなかなかやるなぁ
しかし気をつけろよ、そこの物陰にも隠れているぞ」
鶴丸さんに居場所をバラされた敵が隠れるのも無駄となりこちらに飛びかかる
「遅いよ! やぁっ!!」
無防備に飛びかかってくるものだから、懐がここに来いと言わんばかりに空いていた
「やるじゃん
それにしても堀川って、普段からは想像つかないほど大きい声出すよね」
「掛け声で怯ませるのも実戦では役に立つんですよ」
「へぇ、いいねそれ
それもあの天然理心流ってやつ?」
深い意味はないのかもしれない、軽い気持ちで褒めてくれたのかもしれないけれど
それでも今は、いいねと言ってくれたことが僕にとっては意味を成した