• テキストサイズ

思ひ出結び【刀剣乱舞】

第4章 浅葱色の哀愁(2)


「ではここで確実に仕留めた方が良さそうですね

問題はどう攻め込むかだけれど…」

「いーや、考えちゅう暇はなさそうじゃ」


陸奥守さんがそう言うや否や、あたりに木が軋み割かれるような音が響く

衝撃に伴う空気の振動が頰を走り、反射的に閉じた瞼を開けると、小屋の扉を蹴破り飛び出してくる無数の影が映った


「まずい、気づかれましたね」

「おおっと、さっきより多いな

しかも奇襲の利が使えないとは…」

「結構やばい状況なんじゃない? これ」


加州くんが危惧するように、最大の敵を前に僕たちは追い詰められてしまったようだ

敵の数はさっきの倍はあるかな…それに敵の動きにとらわれて、鶴丸さんや陸奥守さんそれぞれと少し距離が離れてしまった

加州くんと僕は少し近くにいるけれど、個々の戦いになった時に危ないのはきっと___


「小夜!!」


加州くんが叫んだ先では、大太刀や薙刀といった大振りの刀に小夜さんが囲まれている

大きさもだが、五振りという数からも到底敵うわけがない


「っ…痛くないさ」


一時的に応戦はできても長くはもたない

その証拠に体には赤い線が刻まれていく


「くっそ…こいつら強いんだけど……!?

どけろ!!」


加州くんも僕も敵に止められ、なかなか小夜さんに近づけない
/ 127ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp