第4章 浅葱色の哀愁(2)
「あれ…堀川の背中の紋ってもしかして…」
「あぁ、前の主さんの家紋です
ここにもありますよ」
向けられた手の甲には、同じ紋が金色の輝きを放っている
「この紋は、僕が土方さんの刀であった証です
土方さんの新選組での在り方がそのまま戦場での僕の在り方になることを、この紋を見れば思い出せます
…加州さん、僕の戦い方を見ていてくださいね
新選組の強さを」
「え___?」
「あぁ、ありがとな!」
話を終えた鶴丸さんが彼らに別れを告げる声がした
兵士たちの姿が見えなくなってから、俺と堀川も立ち上がる
「ありがとうございます、鶴丸さん
早かったですね」
「あぁ、彼らも姿形以外のことは何もわからないようだったからな
聞いた限り、時間遡行軍で間違い無いようだ
しかしなぁ、彼ら自身は西軍だと言っていた」
「西軍…? そいつらを攻めたって、歴史通り負けるだけじゃないの」
「いや、そういうわけでもなさそうだぜ
帰ってきた二人の話を聞けば分かるんじゃないか?」
確かに、二人の偵察から分かった情報も考慮すると今の戦況はおおよそ把握できた
「___ということは、現在は本来の歴史以上に西軍が押されていると」
「ああ、東軍のやつら明日にでも勝負はつくとみちゅうようじゃ」