第4章 浅葱色の哀愁(2)
そして彼の腰にさされた刀は俺たちの本丸の中にはいないものだ
「その大きさ…太刀の江雪兄様と同じくらいだ」
「あぁそうさ、俺はこの本丸初めての太刀なんだろ?
初めて俺を見たときの主の驚きようったらなかったな」
「こないだの遠征で連れ帰ったっちゅうのは、おまんのことじゃったがか
それにしても、大きな刀が増えて頼もしいのぉ」
「鶴丸さん…ですね、隊長の堀川です
よろしくお願いします」
今回はこの五振りか
今まで出陣した時代と比べ時が遡り敵も強くなってくる中で、短刀、脇差、打刀だけでなく太刀も加わるのは陸奥守が言う通り心強い
均衡のとれたいい人選だと思う
「わしは坂本龍馬の佩刀として知られちゅう陸奥守吉行じゃ
おんしは転々としたとゆうちょったが…」
「まぁ本当に様々だが…有名なところだと伊達家だな」
「伊達…ってことはこの時代にぴったりじゃないですか!
鶴丸さんはこの戦いについて詳しいですか?」
「おっとそう来るか
しかしなぁ、伊達家…特にこの時代の伊達政宗についてなら俺よりも光坊たちの方が詳しいし…
そもそもこの戦いの本戦地に彼はいないはずだ」
「そうですか…」
「とは言っても、この時代の戦法や地理には慣れてるからな
任せておけ」
「はい、よろしく頼みます!」