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【BL】創作跡地。

第3章 狐の声。



 目を覚ますと自分の部屋にいた。時計へ視線を向けると夕方の6時前。おかしい。さっきまで校舎裏にいて、そこで1つ上の先輩に…。そこまで考えて違和感を覚えた。先輩に襲われそうになってからの記憶がない。体に違和感はないから何もなかった、んだと思う。でもどうやってその場を切り抜けたのか、家まで帰ってきたのか。そこの記憶がない。自分の恰好を見ると制服は脱いでるし、やっぱり自分で帰ってきたのか。
 考えても分からないことはそれ以上考えても無駄だ。ベッドから降りると机の上に乗せられた鞄の中から宿題を取り出す。晩ご飯の前に宿題を終わらせないと。


―――ピロン


 宿題をしていると携帯がメッセージの受信を告げた。手を止めて携帯へ視線を向けるとポップアップがメッセージの一部を表示している。それに書かれた「転校生」の文字に興味が引かれメッセージを開いた。


【やっほーあだ名!噂の転校生、なんと俺らのクラスの転校生なんだって!明日来るらしいよ!】


 転校生が来る。というのは前から噂になっていた。男子校だから男だということはわかっていたけど、それ以外のことは分からなかった。しかし自分のクラスに来るとは思っていなかっただけに驚いた。俺らのクラスは所謂問題児クラスと言われている。問題児と言われる所以は極端に頭が悪かったり素行が悪かったり、いろいろある。そんなクラスに入ってくるということは、きっとそういうことなんだろう。
 中途半端な時期の転校生。そして欠けた先ほどの記憶。関係はないだろうけど気にかかることが急に増え、小さく溜息を吐いた。
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