第4章 危機感 ☆
石切丸「声、抑えなくていいんだよ……」
そうは言っても自分の声とは思えない甘ったるい声と誰かに聞かれてしまうという危機感から無意識にも声は抑えてしまうだろうと思ってしまう。
私がなにも言わないとゆっくりと指がなかで動きだし私は思わず下唇を噛んだ。
力加減など忘れていたために痛みと鉄の味が口のなかに広がりなんとも言えない表情となる。
石切丸「ごめんね、少し激しくするよ」
「ふぇ、ひぅッ…!?」
鉄の味で、顔が歪んでしまったが彼の言葉を聞いてその意味をすぐに理解できた。
一本だった指が二本に増えるとゴツゴツとした大きなものがなかを行き来してたまらず声をあげてしまう。
それは例え私が制止の言葉を口にしたって止めてもらえるようなものではなく何度も内側を擦られ加速される指の動きに限界が近づき我慢しなきゃいけないと思ってもできるものではなく……
「や、ぁああッ…き、きちゃッ…!」
あともう少し、というところで動きを止められた。
なんで、と思ったがその理由はすぐにわかった。
長谷部「主、起きられましたか?」
襖越しに長谷部の声が聞こえた。
そういうことかと理解はするが今の私たちの状態は人に見せられるようなものではなく私は慌てそうになる。
石切丸「主……何か、言わないと入ってきてしまうかもしれないよ」
小声でそう告げられ、なおのこと慌てそうにもなるが入られては困るので深呼吸を繰り返し……