第4章 危機感 ☆
「お、きてるよ」
長谷部「あぁ、よかった……声が聞こえたように思いましたので。お身体の方は大丈夫ですか」
「う、うん……心配してくれて、ありがと……長谷部は優しいね」
長谷部「主……ッ…」
襖越しに話をするなんてちょっと失礼かなとも思ったのだが今の状態からしてそれは仕方のないことだ。
でも、長谷部も勝手に入ってこようとしないところはさすがと言える。
本当に優しい人なんだろうな……。
長谷部「主……俺はあなたのことを信用していますよ。だからご安心ください俺だけは何があっても……なつみを信じてます」
「っ……あ、ありが……ひゃうッ…!」
長谷部「あ、主!どうかしましたか!?」
「ぁ、あッ…ち、ちょっと目眩が……ッ大丈夫だ、から…ンンッ…」
石切丸さんは小さく首をかしげてみせるが原因はこの人だ。
長谷部と話しているのにも関わらず小さくではあるが指の動きを再開させたのだ。
こんなとこ、見られでもしたら……っ
長谷部「目眩……入ってもよろしいですか!」
「だ、だめ!今服着替えてッ…ぁうッ…な、にも着てなッ…そ、それよりお腹すいたから……台ッ…す、炊事場使えるなら……ッ…く、ぅ」
長谷部「……わかりました。では主のために美味しいものをご用意してきます!」
そう言って足音が遠ざかっていくことにほっとするが……
石切丸「……悪い子だ。彼に名を呼ばれて嬉しくなっただろう」
「え……そ、そんなこと……」
石切丸「お仕置き、しないとね」
笑っているのに目が笑ってない彼に私は恐れを感じた。