第4章 危機感 ☆
石切丸「君の代わりにお灸はすえてあるから少しは反省してくれていると思うよ」
「服の乱れとかここに運んでくれたのは……」
石切丸「私がやったけど……大丈夫、あまりみてないから」
あまり、でもみられたことには変わらない。
お嫁にいく予定はないが、そういったものから遠ざかっているような気がする。
改めて石切丸さんのことをみると、落ち着いた大人の男性って感じがした。
祓い屋さんみたいな格好してるけど……そういう人達が持っていた刀なのかな。
「助けていただいたようで感謝します。危うく純潔を無くすところでした……」
石切丸「あぁ、なんか悪いね。私達が少し席を外しただけであんなことに……数日前くらいからそういう気は感じていたんだがまさかあんなことになるとは思わなくて」
「流された私も悪かったので大丈夫です。ただ改めて大人は怖いと再認識させられたのでよかったのかもしれません」
そうだ。
元々現世でも大人は怖いと感じていたのがこっちに来てからそういう気持ちが薄らいでいたのがダメだったのかもしれない。
その人のことをよく観察すれば良し悪しくらいなら多少はわかるつもりでいたのに……今後は気を付けよう。
「思うようには進みませんけど……もう少し頑張りますか」
石切丸「主、もう少し休んでいても大丈夫だと思うよ」
「でも手入れが……」
石切丸「ん、それじゃこっち」
石切丸さんに襖の方に呼ばれてそちらに近づくとやたら足音が聞こえる。
あれ……襖に穴があいて、ない。
応急処置程度に破れたところに紙を貼り付けている程度だけど。
そういえばこの部屋も畳は埃っぽくないし布団も……ちょっと布団は埃っぽいけどそれ以外は問題ない。