第3章 身の危険 ☆
「あ、あの私、次……」
三日月「そう、急ぐでない。まだ手入れが終えてないだろう?」
「三日月さん怪我してませんよね!小狐丸さんも……」
小狐丸「実は、背中にたくさんの引っ掻き傷が……夜な夜な疼くのです。その傷が」
え……そ、その傷って……
三日月「俺も同じように傷があってな……小狐丸と同じ背中に、な」
背中にあるとする引っ掻き傷。
先程の話からして察しはつくが傷があるなら手入れを拒む理由はない。
けど、軽傷の場合……腕辺りから霊力を流し込むだけで終えるのに、小狐丸さんは私の両手首を掴んで離そうとはしてくれない。
「い、いや三日月さんの場合、手入れしてるんですから引っ掻き傷なんて消えてますよね!?」
三日月「先にいただくぞ」
無視された!?
「え、ちょ……!いただくって……あ、ま、待って三日月さッ…んむッ…」
唇を重ねられると驚きのあまり眼を見開き腕に力が入る。
だが、それくらいの力では手を振り払うこともできず口内に、三日月さんの熱い舌が入り込み濡れた音を響かせる。
逃げたくても逃げられず私はされるがままとなる。
またこのパターンか!
「んんッ…ふ……ッ…ンンッ…」
キスになれているのか器用に舌を絡ませたり吸い付いてきたりと、なんでこう刀剣男士はキスがうまいのだろう。
くらくら、ふわふわとして……抵抗しても無駄ならばもう、目を閉じて三日月さんに身を委ねるしかなさそうだ。
キスくらい減るものじゃ、ないもんね