第2章 仲間
「……ねえ、長谷部。お願いがあるんだけど聞いてくれる?」
長谷部「主命とあらば、喜んで!」
わぁ、犬の耳と尻尾が見えてくる。
忠犬属性なのかな……
言えばなんでも言うことを聞いてくれるどころか……あまり考えないでおこう。
現実になったら怖い。
「さっきから短刀の姿が見当たらないの。怯えて隠れているなら安心させてあげたいの……だから、探してきてくれない?」
長谷部「短刀達を、ですか……」
短刀と言うと途端に目をそらした長谷部に、違和感を感じながらこれは何かあるのか聞いた方がいいのか悩んだ。
清光から少し聞いたけど、折られてたって言ってたし……もしかしたら……
「……やっぱりいい。後で一緒に探してほしいな……私一人じゃまだ不安だから」
長谷部「……わかりました」
「長谷部。そんな顔をしないで、私は長谷部の笑顔が好き……無理して笑うことはないけど、もしつらいことがあったら話してほしいな。人に話すだけでも気持ちが楽になることはあるから」
長谷部「……ありがとうございます。ですがそれは主も同じです……つらいことなどがあれば他の誰でもなく俺に話してください」
肩を掴まれると私は長谷部を見つめた。
どこか暗いものを感じる長谷部の瞳にぞくっとしてしまい、目をそらしてしまった。
人の心は目を見ればわかると聞いたことがあるが長谷部の目は……黒い何かを抱えている気がする。
それが長谷部を苦しめるものなのかわからないが少しでも癒すことができたら……
「あ、ありがとう。何かあったら長谷部に話すようにする……そ、そろそろ戻ろっか」
長谷部「はい……主、いなく……ならないでくださいね」
「っ……い、るよ。私はみんなの主だもん……ここにいる」
あれ……おかしいな。
長谷部は優しく笑ってくれているのに……その笑顔が、怖い