第2章 仲間
「ただいまー」
堀川「あ、主さんおかえりなさい」
「それじゃ、手入れをするからね」
堀川「お願いしまっ……」
和泉守「なっ……!」
私は座布団に座ると、にこりと笑って堀川君の頬に手を添えると何か言われる前に唇を重ねた。
堀川君も不意打ちにやられるとは思ってなかったのか驚いていたので、とりあえずさっきのお返しはできたようだ。
目を閉じて霊力を流し込むと堀川君の身体の傷は癒えていき、薄く目を開けてこの程度だろうかと思えるところで唇を離す。
「……ほら、堀川君がいったようにしてあげたよ口吸い」
堀川「……へぇ、仕返しのつもりですか?」
「そんなつもりはないかな。マセてる子供が駄々をこねるからお姉さんとして、優しくしてあげただけよ」
余裕げに笑ってやれば堀川君も笑い返してくれる。
私だって、これくらいのことはできるんだからね。
「それじゃ、兼さんの手入れをさせてもらいます。手から流し込むからお手を拝借」
和泉守「あ、あぁ……あんた、すごいな」
「ん?ありがとう……」
何がすごいのかわからないが、兼さんの手入れを始めることにする。
触れるところはどこでもいいし、なんなら触れずに手をかざすだけでもいいのだが何となく触れていた方が手入れしている感があって私は好きである。
こうして触れているとその人の手の温もりとかそういうのが感じられて、少し面白くもあるんだよね。
意外と兼さんの手って綺麗なんだな……。
でもちゃんと男の人って感じの逞しい腕とか……ドキドキする。
和泉守「……あ、のよ」
「はい……?」
和泉守「手入れとはわかっちゃいるんだが……そうまじまじと見られたりすると、な」
「……可愛いですね」
和泉守「はぁ!?」
堀川君とは違って可愛い。
かっこいいけど可愛い。
また一人、癒しの存在を見つけてしまったな。
堀川「主さーん……兼さんをいやらしい目で見ないでくださいね?」
……堀川君、可愛いけど怖い。