第50章 新しい仲間
「はぁ……落ち着く」
やってきたのは地下。
誰にも見つからないといえばやはりここだ。
この本丸を使っていた審神者がなぜ地下を作ったのか、いまだに理解はできていないが、少しの間いるだけなら便利な場所ではある。
長らく使ってなかったこともあってなのか薄暗くて肌寒く、不気味さも兼ね備えているという特別感を感じられる場所なため正直、罪人を収監してそうなところだと考えてしまったが一応広くて綺麗ではあるし、なぜか料理場もあったりして必要なものは揃っているという便利な場所だとも思っている。
正直な感想としては隔離にでも使っていそうな場所だ。
「手入れ部屋があるわけだし、家のなかを汚されたくなかったのかな?」
帰ってきた彼らをここで手当てすればあっちの方は汚れる心配はない。
手入れ部屋だけ作るためにこの地下を使っていた、というのも変な話だし違うことにでも使っていたのかな。普通に数日は過ごせる場所に思えるし。
「広すぎるところだし、修繕費用とか節約しようと考えていたのなら納得かな……畳とか汚れたら掃除も大変なはずだからね」
それでも私なら汚れなんて後回しで先に彼らの傷のことを気にするのにな……。
でもこればかりは人それぞれの考え方があるので前にここにいた審神者のことを貶そうとかそういう思いは一切ない。
私だって何でもできる優しくて完璧な審神者、なんてわけではないので人のことは言えない。
はぁ、と小さくため息を吐いて床にゴロゴロと寝転がると部屋は複数あったっけと思い出しては身を起こす。手入れ部屋に病人を寝かせられる部屋、料理場に、刀装部屋……そして、鍛刀部屋。
「資材も少しならあるし試しても、いいかな」
あり得ないとは思うが見るからに人型ではないものを鍛刀……いや、召喚したらどうしようかな。