第49章 好きだよ
長谷部「な、なぜ閉めるのですか!」
「なんでいるんですか!休んでくださいといいましたよね!?」
襖の向こうには元、近侍の長谷部がいました。
普通にホラーですよ!
長谷部「近侍を外されたからといって俺のやることは今までとなにも変わりません」
変えてください。
こういうのを従順?忠誠心がどうのって言うんだっけ……。
長谷部は私がいろいろと頼るばかりに疲れていると思って休んでほしいがために近侍を変えたというのに今までと同じことをされては困るというのが本音だ。
それ以前に長谷部が近侍の時でも朝に起こしに来てほしいとお願いする時以外は放置してくれたらいいと言ったのだけど……。
「と、とにかく長谷部は休んで!ホワイトを目指してるのに疲れている人を働かせるなんてブラックじゃないの!」
長谷部「俺は気にしません!」
「気にしてください!」
たまには何も気にせず昼まで寝たり、縁側に座ってぼんやりしてくれていいというのに……なんて働き者なんだ。
そんなことよりも今この場に長谷部にいてもらうと困るのだ。
長谷部なら勝手に襖を開けて中に入ることはないと信じているが、万が一にも開けられて燭台切さんが寝ているのを見られようものなら……私の信頼がマイナスになりかねない。
保身的と言われようが今は少しだけでもある信頼というものを大事に育てておきたいのだ。
「……よ、よし。長谷部…これは主命です」
長谷部「っ…主命、ですか」
「そう、主命。今日は長谷部に休んでもらいたい」
長谷部「ですが…っ」
「あっれー?長谷部は主である私のいうことが聞けないのかなぁ?」
方向性が変わってきているがとりあえず休んでもらわないと。
そしてお部屋に戻っていただかないと、私はここを離れられないのだ。