第48章 甘えられる人
「よし、またひとつ賢くなりました。蛍丸も帰ってこないし今日のところは部屋に戻ります……明石、蛍丸にごめんねって言っててくれる?」
明石「……はいはい、伝えときます」
「それじゃ、燭台切さん行こう…?」
燭台切「…うん」
これ以上ここにいても迷惑になるだろうし、蛍丸も帰るに帰ってこれないのかもしれない。
それなら今日は諦めて、明日改めて謝りに来る方がいいだろう。
燭台切さんに視線を向けて微笑むと私は立ち上がって燭台切さんと共に部屋から出た。
明石に情けない主と言われても仕方ないのに、思ったよりもその言葉が胸に深く突き刺さってもやもやとして落ち着かない。
頑張らないと……もっともっと頑張って主を頑張らないと。
じゃなきゃ私に意味なんてない。
「ふぅ……燭台切さんもお部屋にお戻りください。私も自室に戻りますので」
いつものように私は笑う。
たくさん頑張って、認められる主にならないと。
その為には、どうしたらいいのか考えてそれで……
笑顔が崩れないように気を付けながら歩いていると燭台切さんは悲しげな顔をして私の腕を引いた。
反射的に燭台切さんにしがみついてしまったがすぐに離れようと、身を引こうとすると強く抱き締められ驚いてしまう。