第47章 怒られた
宗三「……そんなショックを受けたように落ち込まなくても」
「ショックを受けて落ち込んでいるんですよ。前にいたとこでも勝手な噂を流されて悲しくなった事はありましたが宗三さんに売女と思われていたことが、結構……」
私にあんないやらしいことをしたくせに……むぅ。
宗三「…冗談ですよ。それに例え話です間に受けないで下さい」
「でも宗三さんも知っていますよね。私が手入れと称して彼らに口づけをしている事、既にこの身は……」
宗三「普通に考えてやっている事は異常と思われそうなことでも無理矢理やっているわけではないですし僕には関係ないですよ。どんな理由があれ貴方が決めたことを僕がとやかく言う気もありませんし」
「……ごめんなさい。こんな主じゃ宗三さんも恥ずかしいですよね」
宗三「別に、前の主人と比べたらマシな方ですよ」
私が彼らにしている事は普通ではない。
体質のせいと言い訳しても神である彼らと何度も唇を重ね、身体まで重ねてしまった私はある意味罪深い人間なのだろう。
やってしまった過去は変えられないけどこれからは彼らに恥じない審神者になれるよう頑張らないといけない。
手入れ道具もあるし今後はキスで手入れしなくても済む。何なら手から送り込む方法だってあるのだから……
宗三「…貴方は貴方らしくいていいですよ」
「え……」
宗三「何も完璧を目指さなくてもいいですし、僕らも無理している貴方なんて見たいとは思いませんからね」
「宗三さん……優しいなんて雨が降らないでしょうか。傘を持ち歩いてないので降られると困ります」
宗三「そういうところは変わらず可愛くないですね。無理して自分を偽っても貴方の場合どこかで失敗して小さなことが大きいことになってこちらにまで被害がきたら嫌ですから」
「私らしく……貴方達は本当に優しいですね。こんな私にそんな優しい言葉をかけてくれるのは貴方達だけです」
宗三「…早く食べて帰りますよ」
「はい。ありがとうございます宗三さん」
私は私らしく…ってなんだろう。
自分というものがわからなくなっている今、自分らしくいるのがとても難しく思えたが宗三さんの優しい言葉を覚えて今後に生かそうと思えた。