第47章 怒られた
二人でしばらく辺りを歩いたりした後、私たちは人から隠れるように佇んである甘味処で休んでいた。
お腹が空いたのもあるが私の足が悲鳴をあげたのだ。
そこにたまたま偶然にも隠れるようにして建っていた建物を見つけたのでそこに入ってみたのだがまさか甘味処とは思わなかった。
見た目、どこぞの骨董屋かと思えるくらい入り口は怪しかったし……でもそんなことは気にしてられないくらい、ふくらはぎがとんでもなく痛いのだ。
運動不足が原因かな……ほとんど室内にいるし、審神者なんて外でひゃっほいする職業でもないのだからみんな運動不足になる……と、思いたい。
宗三「貴方って普段何してたんですか」
「え、普段……」
宗三さんのいきなりの問いに私は悩んだ。
普段……短刀達とお喋りしたり、部屋で刀剣達のこと調べたり燭台切さんと料理のことで話したり……
「し、仕事してますよ」
宗三「嘘ですね」
「うっ……い、一応はしてますよ。長谷部に書類整理を手伝ってもらったり私のお役目についていろいろ教えてくれたりするからその通りに…」
なんだろう。
長谷部って名前を出したら何か忘れているようなことがあったような……何かあったかな?
思い出せないって事は何もなかったのだろう。うん、ない
それにしても宗三さんから質問してくれるなんて私にちょっと興味が出てきたのだろうか。
そうだとしたなら嬉しいな。
テーブルの向かい側に座っている宗三さんを見つめる。
ただ座ってどこかを見ているだけなのに雰囲気が……儚い?人妻…未亡人感がすごい。
私が男なら声をかけたくなるほど美しい。