第47章 怒られた
「私のハートはガラスで出来ているので優しくしてくれないと……ヒビが入って割れてしまいますよ」
宗三「割れたとしてもどうにかなりますよ」
「……私の心は繊細なんですからね。出来れば割れないように気遣ってくださると……」
宗三「繊細……?」
何いってるんだろう、みたいな顔で見ないでいただきたい。
宗三さんの言葉はチクチク刺さる感じで、そう痛みを感じさせないから大丈夫ではあるんだけど……塵も積もれば山となる、という言葉があるように小さな傷がとても大きな傷になりかねないので、少しは手加減してほしかったりもする。
でも、まぁ……意地悪なことを言ってくるのは少なからず私に気を許しているからと感じられて嬉しくもあるんだけど、ね。
「もし、私のハートが割れるようなことがあれば宗三さんに責任とってもらって、たくさん甘やかしてもらおうかな」
宗三「割れたら捨てますよ」
えー……冷たい。
反抗期だ。
「捨てるなんてそんな……ん?」
ふと、どこからか宗三左文字だ、と話している声が聞こえて反応してしまう。
耳はそれなりにいい方なので聞こえたが……そう遠くはない場所から聞こえる……。
そう思ってきょろきょろしていると着物姿の女性が二人、並んでこちらを見ながらこそこそと話していた。
同じ審神者だろうか……?
こちらのことを見ながら何か言っているのが気になって私はそちらに耳を傾けてみた。
「どうせ連れ歩くなら自慢できるような三日月宗近とかレアものがいいよね」
「あんな打刀最弱なんて恥ずかしくないのかな」
打刀……最弱?
何をいっているのかわからず宗三さんの方を見るとため息を漏らしていた。
……誰が聞いても悪口、だよね。
どこもこういうのはあるもんなんだね……気分悪。