第47章 怒られた
宗三「それで、いったい何の用ですか。いい加減目障りなんです」
「め、目障りって……もう少し優しい言葉を選んでくださると……」
宗三「……うっとおしいので」
「目障りよりかは優しいかもですが……傷つきそうなので、そういう言葉は避けてくださると助かります」
好かれてはないんだろうな、と気づいてはいたけどここまで言われると硝子のハートが割れてしまいそうだ。
私自身は宗三さんのことも好きではあるが……片想いってやつだね。
私が好きです、とハートを投げたとしてもお返しされるどころか避けられて行き場のないハートはやがて消える……そんな感じだ。
「私はただ宗三さんのことを知りたいだけなんですが……」
宗三「そんなことを言ってもあなたも天下人の象徴を侍らせたいだけでしょう」
「ごめんなさい。短刀なら侍らせ……囲まれたいとは思いますが宗三さん相手にそんなこと考えたことありません」
宗三「あなたって人は……」
「あ、もしかしてツンデレというものでしたか?私のそばにいたくてそんなツンツンな態度を……って置いてかないでください!」
私の話など聞くに値しないとでも言いたげに置いていこうとする宗三さんの後をついていく。
後ろ姿でさえ本当に人妻……未亡人らしさがぷんぷんしている。
これが色気か……。
「色白いな……」
宗三「まだ何かあるんですか」
心底迷惑そうな顔をされているが、まあ気にしないでおこう。
これくらい、いつものことだ。
だけど、さすがに宗三さんとも仲良くなりたいからいつまでもこんな迷惑だ、みたいな顔をされ続けるのはつらいし……
「……よし、宗三さん私とデートしませんか!」
宗三「は……」
まずはお互いを知ろう!