第47章 怒られた
次の日、私は宗三さんとデートをするため町へと来ていた。
「いい天気でよかったですねー!」
宗三「あなたの頭が能天気だという話ですか?」
相変わらずの宗三さんではあるがデートに付き合ってくれて、とりあえずは感謝している。
デートをしないかと誘ったらすぐさま断られたのを何度もお願いして深夜にやっと話を受けてもらえたのだ。
宗三さんが折れたというより……同室の江雪さんに説得してもらったのが大きかったのだろう。自分でも眠りにつこうとしている彼らの部屋でデートに付き合ってくださいと何度もお願いしていたら迷惑だろうな、とわかってはいたが諦めることができなかったのだ。
宗三さんと仲良くなるためにはこれくらいのことをしなければ話すらしてもらえそうにないからね。
そして、話を受けてもらい朝食を食べ終えたら出掛けると話して着替えて待っていたがいつまで経っても来てくれず半ば引きずるようにして町まできた、というわけだ。
お兄様に言われて、私に引きずられてきたから仕方なく一緒にいるという感じで会話は弾むどころか先ほどからチクチク刺さるようなことばかり言われている……まあ、仕方ないか。
「宗三さんは好きなもの……ってありますか?」
宗三「ありません」
即答……会話する気すら感じられない。
「……行きたいところとか」
宗三「帰りたいですね」
……早くも折れそうだ。
宗三さんって、私のことをすごく嫌っていたりするのだろうか……。
横に並んで歩いてくれてはいるが先ほどから目が合うこともなければ……壁を感じるのだ。
仕方ない、そう思うしかないが……寂しいな。