第47章 怒られた
小夜ちゃんとお話してから私は……宗三さんのことをずっと見つめていた。
朝起きてから夜眠るまで……四六時中、宗三を見て気づいたことと言えば……。
あの人、人妻っていうより未亡人って雰囲気がとんでもない。
美しく儚い。
ちょっとした仕草が、やたら色気を醸し出してるし息を吐くだけでいやらしい……こんなこと考えてる私がおかしいのかもしれないが、あの人……やばい。
「あれは自分から誘うタイプではなく、私はそんなつもりはなくて……とか言いながら異性に迫られてってタイプだ。最近見た週刊紙に書いてあった」
数年前の、だけど。
宗三「あなたがやっていることは普通に気持ち悪いですけどね」
「……うわ」
未亡人に話しかけられた。
なんと返事をしよ……じゃなかった。
私の完璧な追跡に気づくなんてさすがは刀剣男士だ。
追跡して……五日ほどだけど今まで話しかけられたことがなかったのを考えると意外と隠密行動というものを得意としていたんだな。
こういうときは……。
「よ、よくぞ見破っ……気づいたな!」
宗三「前から思ってましたが……バカなんですか」
ちょっと傷つくな……。
「……な、なにかご用ですか」
宗三「それはこちらの台詞ですよ。数日前から背後霊のようについてきて……背後霊なら可愛いものですがあなたがやっていることは現世ではストーカーというのでしょう」
「……す、スカート?すいません最近耳が遠くって」
宗三「…………」
「すいません、ごめんなさい。謝りますからそんな蔑むような目で見ないでください……なにかに目覚めたら私困ります」
未亡人に冷たい目で見られるって……ごほうびと聞いたことがあるが、それが理解できてしまいそうになっている。
これは……よくない。