第46章 頑張りたいのに
「ただいまーって、誰もいな……え、なッ……」
自室に戻ると……そこにはいたのだ。
こちらを見てペコリと頭を下げる可愛らしいお小夜ちゃんの姿が……ッ……か、かわいい。
下唇を噛んで、歪みそうになる顔をなんとか抑え深呼吸をしてから怖がらせないようニコッと笑う。
あ、顔緩みそう。
「……どうかしたのかな?こんなところまで来るだなんて……もしかして私になにか用があってここにきたの?」
こくりと頷く小夜ちゃん。
頭からかぶり付きたいほど可愛い……あ、どうしよう。
なんか悪化してる……。
ショタコンとかではないはずだけど、何かが悪化してる。
小夜ちゃんが、ちょこんと部屋の片隅に座っているので新しい座布団を置いてからおいでおいでと手招きすると戸惑いながらも座布団の上に正座をする小夜ちゃんが可愛ッ……
「こほんっ……な、なにか困り事かな?お姉さんでよかったらほしいものでもしてほしいことでもなんでも叶えてッ……じゃなく……き、聞いてあげるよ?」
あぁ……落ち着かない。
小夜ちゃんが目の前にいると甘やかしたくなってしまう。
ちゃんとした審神者を演じようとしているのに……化けの皮が剥がれるとはこういうときに言うのだろうな……。