第46章 頑張りたいのに
薬研「……しょ……ッ…大将!」
「ふにゃあ!」
薬研「大丈夫か?いつにも増してぼけーっとしてたが」
「い、いつにもってずっとそんなことを……あ、いいや。うん、大丈夫大丈夫……と、とりあえずこれは没収です!誤って誰かが飲んだら危険ですので私が預かっておきます!」
薬研くんの謎の薬を没収すると私は一度落ち着くことにした。
今さらあの時のことを思い出したって仕方がない。
私は生きているんだ。
今のところ死ぬ予定もないんだから落ち着こう。
薬研「……大将、疲れてるんじゃないか?どれ……」
コツン、と額同士を合わせられると私は固まる。
え、何事。
薬研「熱は……ないみたいだな」
「いやいやいや、近い近い近い」
薬研「近いと何かあるのか大将?」
離れてはくれたが顔は……何か企んでる顔をしている。
ほんと、どこまでも短刀詐欺な子だな……子供の可愛らしいいたずらっ子の顔とは違う、大人がよからぬことを考えている顔だ。
そんな顔ですら美しいけど。
「……ま、これが今の私の生活だよね」
薬研「大将……やっぱり頭がイカれて……」
「やっぱりってなに。薬研くんってわりと私のことバカにしてないかな?私、バカじゃないからね?」
薬研くんに限らず他の刀剣男士にもそのような扱いを受けていたりするが……彼らは私より年上なんだし、そういう扱いも普通と思うべきなんだろうな。
……今の私は、ここで生きている。
うまくいかなくとも私は精一杯の力を出してやるだけ……生きていなくちゃね。