第46章 頑張りたいのに
「頑張りすぎもよくないしほどほどに……長谷部を休ませてあげなきゃな」
一番の功労者って長谷部な気がする。
全部任せているわけではないけど掃除当番から畑仕事から出陣の編成まで任せてしまっているので実質審神者らしいことをしているのは長谷部な気がする……気がするではなく審神者らしいのだ。
覚えろと言われれば一応覚えられるだけの頭ではあるが器用ではないので気を利かせてあれやこれやとしてあげられない自分が情けない。
「とりあえず今は……頑張りすぎないよう頑張ろう!」
薬研「結局頑張ってるなそれは」
「えッ……あ、あぁ薬研くん……あれ、今日は畑仕事だったんじゃ……」
薬研「変わってもらったんだ。作りたいのがあってな」
薬研くんって見た目は中学生くらいの少年なのに声は……まあ、気にしないでおこう。
「作りたいって……前に行ったところで拾った雑草でなにか作ってたの?」
薬研「大将の頭に雑草を生やしてみるのもいいかもな。もしかしたら見えない雑草が既に生えてるかもしれないが」
なに怖いこと言ってるんだ。
「ごめんごめん……雑草じゃなくなんか意味のある草なんだよね……もしかして薬草とかそういうのだったの?」
薬研「そんなところだな」
たまに思っていたことではあるけど薬研くんの私服って……お医者様みたいなんだよね。
短パンに白衣って……ちらちらと見える脚にドキッとしてしまうが私は決して足フェチとかそういうものではない。
私はどちらかと言えば……
「眼鏡がね……」
薬研「ん?」
「ううんなにもない」
そう。
眼鏡属性に弱かったりする。
なぜだか眼鏡をかけている美形男子をみるとドキッとしてしまうのだ。
薬研くんはもちろん明石にもドキッとすることがある……明石は元々が色気おばけみたいなところがあるがジャージにあのだらけっぷりで色気なんてどこへやらって感じなのでそうドキドキする機会はないけども。
薬研くんは白衣のポケットから小瓶を取り出すとこちらを見てニッと笑った。
え、なに。
薬研「ほしくないか?この『惚れ薬』」
…………なんと?