第46章 頑張りたいのに
「私、不器用なのでなかなかうまくいかなくって……それでご飯は後回しになりがちではありますが……今後はできるだけしっかり食べるようにしますね?」
絶対とは約束できないが、今後はご飯を食べられるくらいの余裕は作るべきだろう。
こうして歌仙さんが心配してくれるのは嬉しいが申し訳ないし、いつも後ろで私がご飯を食べずにいることにすっごいそわそわしてくる近侍もいるのだからちゃんと食べないとね。
「歌仙さん、これだけオムライスを美味しく作れるなんて今日はみんなオムライスを食べたのですか?」
一人一人作っていたのならすぐに上達するのも頷ける。
数えたことはないけど軽く30人は越えてるし、燭台切さんと作ったとしても……一人でたくさんのオムライス作るとかすごいな。
歌仙「いや、彼らは素麺だよ」
「……ん?え、えッ……!?そ、素麺って……」
歌仙「卵があまりなかったからね。全員分のオムライスはさすがに作れそうになかったよ」
「それは……私だけ特別って……うわぁ、すっごい申し訳ない」
あの、怒ったら恐ろしい歌仙さんがそんな私だけ贔屓するなんて考えても見なかった。
オムライスなら短刀達も気に入るはずのものを私一人で食べてしまうなんて罪悪感が……
「歌仙さん……私のことはいいので他の子達に美味しいのを食べさせてあげてください。私なんて残り物……適当なものでもいいので」
歌仙「……はぁぁぁ」
え、なにそのため息。
歌仙さんは大きなため息を吐くと私の頬に触れて……つねった。
「い、いはいいはい!いはいれふー!」
摘まんだ、じゃなく摘まみつつもつねっているのですごく痛い!
え、ほんとなに!?