第45章 新しいタイプ
「それじゃ、そろそろお昼……二時半って昼食セーフかな……」
加州「さあ?昼食は牛ノ刻……あ、昼九つ……わかんないか……えっと、あれ12時くらいにみんな食べるからさ」
気を使って時間を分かりやすく伝えてくれる清光に、私は考えた。
みんな私に時間を伝えるときは、私に合わせて一時とか五時とか言ってくれるが時代によったら丑三つ時とか言い方が違うんだよね。
私からすれば一時とか普通に感じられても彼らからしたら違和感があるのかもしれない。
だからといってみんな私に合わせてくれてるのに、私が彼らに合わそうとしたら混乱する可能性が大いにある……それに、みんなそれぞれ作られた時代が違うし使われていた時代にも差があると思う。
そうなるとやはりそれぞれ思うところがあるだろう。なら……
「合わせてもらった方が平和かな」
加州「お腹が減って幻聴まで聞こえるようになったの……?それとも幻覚……?」
「ごめん、独り言……お腹空いたし運よくご飯が残っていたら食べてくるよ。清光はのんびりしてて?」
自分の世界に入りがちなのはもはや癖のようなものだ。
考えていてもそれを話せる人もいなかったので昔から独り言や一人で考えることが多かったために今さらこの性格は直せないだろう。
……そっか。
友達……いたことなかったな私。
清光を部屋に置いて食堂の方に向かう。
あれ、食事処だっけ……どっちでもいいか。
歩いていても不思議と誰かとすれ違うことはない。今日の当番どうなってるんだっけ……
「……役に立ってすらいないな私」
頑張ろうとしても、口だけで私は何もできていないのだ。
役立たずと言われてきた意味を自覚しなくちゃいけないなんて、悔しいが仕方がない。
それが、事実なのだから。