第45章 新しいタイプ
「愛は……ないと悲しいかな?」
愛のない関係なんて昼ドラじゃあるまいし……見たことないけど。
清光は起き上がると私の目をじっと見つめてくるのですぐに目をそらした。
近い……。
「そんなに見つめられると照れる……」
加州「……じゃあさ主は……石切丸さんとの間に愛はあったっていうの?」
「…………?」
加州「……?」
「…………!!?は、はぁ!っな、何言ってるの!」
加州「だって主、ヤったんでしょ?」
「そ、そういうこと言うんじゃありんせん!」
愛のない関係なんて大人みたいなこと言うから何かと思ったら結局そこの問題になるのか。
もうっ……流された私が悪いかもだけど子供の教育上よくないことなんかしないでほしいなっ!
加州「それで、愛はなかったんでしょ?」
とりあえずここは落ち着くためにも飴玉の入った瓶から一つ飴を取り出して口に放り込む。
念のためだ。
「……愛はなかった、とは思うよ。私からしたら知らない人だし。そんな人に一目惚れでもしない限り愛は生まれないでしょ」
まあ、あくまでも私は……だけど。
少なくとも石切丸さんからは好意……いやそれ以上のどろどろしたようなねばねばしてるような……うまく言えないが、一応好意のようなものは感じられた。
それはシンプルな好きとかそういうのではない気がするけど……。
「私も体質のせいとはいえ流されたことは確かだけど……私は身体だけの関係なんて寂しいし悲しいと思うよ。私も……気持ちとか欲しいタイプの人間だからさ」
加州「……ならさ俺のこと愛してよ。」
「……う、うん?」
清光の言葉にまた首をかしげてしまう。
言葉の意味は理解できているはずなのに反応に困ってしまうんだよね……