第45章 新しいタイプ
加州「あ、る、じぃ……俺のこと好き?」
「うん、好きよ……」
加州「どれくらい?」
「……オムライス以上には」
さっきからこのやり取りを何度したことだろうか。
はじめは不安定な清光を落ち着かせるため自室に招き頭を撫でたりしていたが気づけば私が膝枕をしていて満足そうにしていた清光が同じ質問を何度も繰り返して聞いてくるのだ。
俺のこと、好き?、と
ある意味ホラーでしかない。
ショタに可愛くボクのこと好きですか……?なんて聞かれたら抱きついて好きだと答えるが清光相手だとそこまでのことはできない。
なんか怖いし。
でも何度も聞いてくるってことは不安なのだろう。それを理解してあげなきゃな。
「清光は可愛くていい子だし、大好きだよ」
加州「……可愛くなくて悪い子なら主は俺を嫌いになる……?」
「ならない!ならない!悪い子になったとしても私は……っ」
不安そうに問われると勢いで悪い子でも好きと言いそうになるがやめた。
いや、だって……目が、本気なんだもん。
さすがにあり得ないとは思うけど、念のためにね。
加州「私は……?」
「わ、私は……悪い子になったとしても清光のこと大事にするからね」
今はこれしか言えない。
清光は愛に飢えているのだろうか……前任からボロボロになるまで働かされていたみたいだし愛に飢えていても不思議でもないか。
そうだとしても……こう、重力が……はっきりとは言えないけど重石をつけられたときみたいな感じで……
「……清光、不安になったらいつでも私のところに来ていいからね。あなたは私の刀だもん……わがままをいってたくさん甘えてくれていい。だから我慢だけはしないでね」
加州「……うん、主大好きだよ」
そっと清光の頭を優しく撫でてやる。
清光のように不安を感じて潰れそうになっている子がいると思うと悲しくなる。
私にもっと力があったなら……よかったのに。