第44章 変態でした △
数十分ほどで本丸につくと玄関先で私は清光に抱きつかれた。
いや、突撃された。
燭台切さんがすぐに支えてくれたので後ろに倒れることはなかったが……口から心臓出るかと思うほどの威力だった。
いったぁ……血吐きそう。
「き、清光いきなりどうしたのっ……」
加州「俺をおいてどこにいってたの……?」
「え?か、買い物……かな?」
加州「なんで……なんで俺をつれていってくれなかったの?やっぱり主は俺のことなんてどうでもよかったの……?主は可愛い俺が好きだから爪もちゃんと綺麗にしたし主が喜ぶと思って部屋の掃除もしたよ?ねぇ、主……俺のこと好きだよね?俺には主しかいないの……主しかいらないッ……だから捨てないでっ……?」
…………ナンダコレ?
涙を流しながら今にも壊れてしまいそうなくらいに弱々しく感じられる清光に動揺してしまう。
いつもなら可愛らしい笑顔で接してくれるのに……これは……新しいタイプだ。
「燭台切さん、お部屋に戻ってください」
燭台切「でも……」
「清光と二人でお話ししたいですし……燭台切さん、心臓がすごいドクドク……いや、ドキドキかな?結構高鳴ってましたよ。繋がれた手から伝わるほどでしたので驚きました」
私だってただのバカではない。
手から伝わるものくらいさすがに気づく。
これで気づかなかったらただの鈍感審神者になりそうだし……。
きっと歩き疲れたんだろうな……もっと考えてあげるべきだったな。
清光は私にしがみついて離れようともしないので疲れているのなら燭台切さんを先に解放してあげた方がいいために、目で行ってくださいと訴えると迷ってはいたが理解してくれたのか背を向けて行ってしまった。
さて、と……どうしようかな。