第44章 変態でした △
燭台切「……主は、現世っていうのかな……そこでもやっぱり一生懸命に何かをしていたのかな?」
「っ……え……?」
燭台切「お互いのこと、話す機会がなかったからせっかくだし、ね?嫌なら話さなくても大丈夫だから」
また、苦くなりそうな気分になる前に燭台切さんが声をかけてくれたおかげで気分が悪くなることもなかった。
過去のことは忘れようと決めたのに、つい思い出してしまうのは悪い癖だな。
「……今は……まだ、すべてを話せるだけの余裕はありませんけど……私は……今のように一生懸命やっていたのかよくわかりません」
親に認められたくて勉強とか頑張った記憶はあるけど……一生懸命かどうかは自分ではわからないでいる。
頑張っては、いた……はずだ。
けど今のようにすべてをかけるほど一生懸命にやってはいなかった気がする。
「あちらの私は……結構冷たい人間だったと思います。何でも一人でしようとして誰かが手を差し出してくれてもその手を払ってしまうような……そんな人間でした」
燭台切「主が……冷たい……?」
信じられないというようにこちらを見ているが事実だ。
何で手を払っていたのか……思い出せない。
誰かと仲良くしたい気持ちはあったはずなのに私は手を払ってばかりいた。
……でも、私に優しくしてくれようとする人なんていたかな?